地獄への道は――「グランベルム」6話感想
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そこに向かっていないと、あなたは言えますか。
グランベルム 第6話「魔石」
©ProjectGRANBELM

は?いやこんな展開ないでしょ見返したら納得できるのか?と思ってたら、放送事故と見紛う事態の後にむしろ納得しかない展開が待ってた。これ脚本会議はどんな感じになってたんだろう……#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
「グランベルム」6話。満月はグランベルムについてよく分かっていなかった自分を認識し、また新月も自分がグランベルムの全てを知っているわけではないことを語る。分かっているつもりが全然分かっていない。理想への積み重ねがどこに向かうのか見えはしない。そんな風に感じたお話。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
アンナは分かっているつもりだった。母にも祖母にもできなかった術を使えた自分こそはザ・ウイッチに相応しいのだと。しかし本当はその術を成したのは自分ではないと、分かってはいなかった。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
新月は言う。皆自分の中に理想の自分がいて、しかしそれには一生追いつけないと。新月もまた追いつけない。アンナとの関係を取り戻したい自分に追いつけない。またも彼女は、間違える。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
3,4話の感想で僕は満月を「特別を普通にしてしまう少女」に見立てたが、新月は逆に「普通を特別にしてしまう少女」だ。梅干しやランドセルをコミカルなアイテムに変え、ただの女子高生だった満月をグランベルムに参加させ、才能のないアンナを母や祖母以上の魔術師と勘違いさせた。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
大きな魔石は人を暴走させるとアンナの母は懸念した。魔石とは魔術であり、魔術とは特別であり、特別とはこれまで描かれたように闇の中にある。ならば暴走とは、けして魔石の作用によってのみ起こるものではない。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
実る見込みの無い枝を落とし美しく花瓶に生けられる花は、母にとってのアンナなのだろう。その花瓶に収められることをアンナは拒絶し、しかしそれを成したのは過去でも現在でも新月だった。アンナの母の亡骸の側には、ただ割れた花瓶だけがある。花も囲いも、全ては壊れてしまった。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
「頑張るのですわ。貴女ならきっとなれる」……そうやって新月の過ちを受け入れてやれたら、どんなに理想的なことだろう。けれど、その理想にアンナが追いつけることはない。無力であっても優しかったアンナを、新月は特別な執着の闇に突き落としてしまった。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
この作品おそらく、負けキャラに感情移入させる趣向になっているのだと思う。最初はベリショ赤﨑千夏声のロサ以外どうでもいいくらいの印象だったのだが、寧々もアンナも今となっては愛おしくなってしまった。水晶さん?あー無理でしょあんな胡散臭いのは何があっても僕には愛せない(棒#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
特別を普通にしてしまう満月と、普通を特別にしてしまう新月。優しい2人はそれにも関わらず、そのままでは誰かを踏みにじったり傷つけたりするばかりで。それでも2人は、互いに出会ったことでその特性を互いに支える形を見つけつつある。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
2人が向き合う時だけ、特性は反転するのだ。満月の作る「普通」の鍋に、新月は箸を伸ばす。夢でも何もないという満月に、新月は人を思いやれる心という「特別」を見出す。そのあり方はきっと、物語に重要な意味を持つのだと思う。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
見れば見るほどに悲哀が深まって、しかし底から何かを見つけられたようにも感じられた回でした。次回、満月は何かを果たせるのか。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
追記。シリーズ構成の花田十輝さんはアニメ「響け!ユーフォニアム」でもシリーズ構成を務められているわけだけど、本作の「特別」に関する目線はそこからフィードバックされている部分もあるのかなあと思う。そういう意味でも興味深い。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
グランベルム、他の作品と同じ調子で見ると普段の8割くらいしか作品に潜れてない気がする。そして残りの2割がものすごく重要なので、そこまで潜るには何度も見返すほかない。#グランベルム
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月10日
関連:
グランベルム 感想リスト
グランベルム 第1話 「世界で唯一の魔術師」
グランベルム 第2話 「私がここにいるために」
グランベルム 第3話「満月に鐘は鳴る」 第4話「風水師リンフェンフェン」 *簡易感想
グランベルム 第5話「小さな少女の小さな願い」

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