始まっていた旅――「ヴィンランド・サガ」6話感想
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迷い込んだ者の行く先。
ヴィンランド・サガ 第6話「旅の始まり」
©幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

「ヴィンランド・サガ」6話。トルフィンの初めての殺しは夜行われる。炎と鮮血の中で行われる。略奪と海賊を生業とするヴァイキングの世界とは、「男の喧嘩」の世界とはそういう世界だ。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月13日
対して実り豊かなイングランドは黄金の麦の穂で表される。それは素性も知れず言葉も通じぬトルフィンを介抱した女性の家の前が夕日で照らされるのと同じ世界。「男の喧嘩に付き合わない女子供」の世界。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月13日
2つの世界は出自や所属といったもので単純に分かれるものではなく、移住するヴァイキングや女性にバカと罵られるイングランド王のように混じり合う。明るい空の下、放置される死体のように。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月13日
トルフィンと女性の出会いもまた、そのように混じり合った場所から始まる。傷付き川に身を浸したトルフィンは異界からやってきた者であり、同時にかつては女性と同じ世界の住人だった。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月13日
世界が違えば人はもちろん犬も違う。暗夜トルフィンを追い立てた犬は、女性の家では人を気遣い顔を舐める。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月13日
雨に任せてノミを洗う乱暴な世界ではなく、櫛を入れてもらえる、ケアしてもらえる世界。トルフィンはそれを失いたくなくて、かろうじて覚えたイングランド語で逃亡を勧める。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月13日
けれどそれは「男の喧嘩の世界」の理屈で、だから女性は逃げない。本来は自分達と同じ世界にいていいトルフィンがその世界に行ってしまう痛々しさに、女性は涙する。別世界(女性の家)から持ち出した火が、アシェラッド達への合図となるように。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月13日
女性は死なず、ただ消える。母、姉、そして父のいた世界は死んだのではなく、ただ消えてしまった。トルフィンはそこから離れてしまった自分を初めて自覚して、それを飲み込むしかない。踏み込んだ異世界を知覚して、なお進むしかない。それが、旅の始まり。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月13日
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ヴィンランド・サガ 感想リスト
ヴィンランド・サガ 第1話「ここではないどこか」第2話「剣」第3話「戦鬼」
ヴィンランド・サガ 第4話「本当の戦士」 *簡易感想
ヴィンランド・サガ 第5話「戦鬼(トロル)の子」

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