奴隷の視界――「ヴィンランド・サガ」8話感想
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そこに映らなくなってしまうもの。
ヴィンランド・サガ 第8話「海の果ての果て」
©幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

「ヴィンランド・サガ」8話。アシェラッドは奴隷の自覚について語る。自覚とは視界を変えるものであり、つまり今回は視覚・視界のお話であったように思う。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月26日
描かれた決闘で見えるのは、成長したトルフィンの目の付け所の良さだ。アシェラッドの口車に乗らず、被弾すると見れば自ら後方に飛び、指を狙うことで相手に剣を離させ、関節技を目ざとく見抜いて下がる眼力は、ビョルンすら唸らせる。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月26日
しかしその強さは、父を侮辱されたと感じればあっという間に崩れてしまう。先程は見抜いた関節技に容易く引っかかり、ビョルンは頭を抱える。復讐の奴隷となった瞬間、その視界は酷く狭くなってしまう。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月26日
「金の奴隷」ゴルムは言わずもがなで、親族との会話にも関わらずまず金勘定の話から始まる。金の奴隷であるが故に、貴族の娘であったホルザランドの「上手に使うコツ」に彼は気付けない。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月26日
ホルザランドはトルフィンにあなたも奴隷なのかと問う。それは、「皆が何かの奴隷である」ことを知らずしてはできないものの見方だ。その視界の広がりは、トルフィンの視界もまた広げる。父の語ったヴィンランドという地が、彼の中に蘇る。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月26日
戦士であるというトルフィンが復讐の奴隷であるように、身分は奴隷からの解放を意味しない。デンマークの王子クヌートはどうも戦いには向かぬ人のようだが、彼はヴァイキングの武の血から逃れることを許されていない。彼もまた奴隷である。その兜の目庇は、視界を狭めている。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月26日
人はみな何かの奴隷なのだとアシェラッドは言う。第1話以来の登場となるトルケルは、戦いが好きで好きでたまらぬ戦いの奴隷であるようで、そしておそらく奴隷であること自覚している。その暴風は、何をもたらすのか。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月26日
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ヴィンランド・サガ 感想リスト
ヴィンランド・サガ 第1話「ここではないどこか」第2話「剣」第3話「戦鬼」
ヴィンランド・サガ 第4話「本当の戦士」 *簡易感想
ヴィンランド・サガ 第5話「戦鬼(トロル)の子」
ヴィンランド・サガ 第6話「旅の始まり」
ヴィンランド・サガ 第7話「北人」

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