外れ者の尊厳をかけて――「荒ぶる季節の乙女どもよ。」9話感想
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戦え。荒ぶれ。
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第9話「キツネノカミソリ」
©岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会

「荒ぶる季節の乙女どもよ。」9話。これは尊厳の物語。選ばれなかった者たちの、世界の外れ者達が道なき道をゆく物語。そんな宣言の聞こえるようなお話。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月31日
山岸は勝っている人間の周囲への想像力の低下を指摘する。自分は別だとでも言いたげだが、富多への恋を問われた反応は本郷いわく少年のよう。その反応が本郷をどういう気持ちにさせるか、想像力が著しく低下している。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月31日
また、恋の叶った和紗は想像力自体はをむしろ逞しくなっている。なんでもない葉や犬、蕎麦つゆの香りが新鮮に思える。ただ家に行くだけのことが、座る場所が、手が触れるだけのことが刺激的で。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月31日
山岸の言葉より菅原の、「恋すると自分達が世界の中心になる」という指摘の方が、劇中要素との齟齬は少ない。想像力が、集中力が低下するのではない。その方向性がごく限られたものに向けられるようになる。ある意味、恋をしている者はそれだけで勝っている。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月31日
だからその区分は、単に恋が成就していない者を一致団結させてくれない。山岸に限らず、友達とはえすいばつできないという言葉が百々子を傷つけたことを菅原は知らない。百々子は、和紗のためらいを勝手に菅原への疑念に置き換えてしまう。想像力は、限定されている。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月31日
菅原の泉への行為を「自分で自分を誤解している」と言っちゃう百々子の思考は、正に自分達が世界の中心になっているものだ。朗らかでにこやかで菅原とは別種の美しさの塊だった百々子もまた、汚濁の中に宝石を探し始めている。バラスイシ(ヘッタクソなモノマネ)#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月31日
想像力の埒外に置かれた人間は、ある意味で人間扱いされていない。性的な目線で全く見られないことは全てを否定された気になると5話で菅原は指摘したが、恋の叶わぬ者達は誰も相手に自分を性的に見てもらえていない。菅原も、本郷も、そして百々子も。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月31日
だから、性的な目で認識させることが彼女達を人間扱いさせる手段になる。ヒップに手を触れさせ、自分を抱くように脅迫までする。自分達が世界の中心だから、そこには法律も良識も下着のように脱ぎ捨てられる。想像の埒外に置かれる。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月31日
「文学は負けている時に書かれたものの方がハングリーだし、圧倒的に力がある」……山岸の言葉を証明しに叫ぶような、そんな心意気を感じた回でした。荒乙、まだまだまだまだ止まんないよ!#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月31日
なお正直に申し上げてこのシーン、中身がめんつゆな展開を期待しました。#荒乙 pic.twitter.com/bC0MoFrIKr
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年8月31日
関連:
荒ぶる季節の乙女どもよ。 感想リスト
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第1話 「豚汁の味」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第2話 「えすいばつ」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第3話 「バスガス爆発」 第4話「本という存在」 *簡易感想
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第5話 「私を知らぬ間に変えたもの」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第6話 「乙女は森のなか」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第7話 「揺れ、の、その先」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第8話 「Legend of Love」

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