はみ出せ、荒ぶれ――「荒ぶる季節の乙女どもよ。」11話感想
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大人とか子供とかそういうのじゃなく、自分。
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第11話「男女交際禁止令」
©岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会

「荒ぶる季節の乙女どもよ。」11話。これまでにない表情と言動をする菅原は、びっくりするくらい学園祭の時の和紗と似ている。規定してきた範囲からはみ出した先に「自分」があり、それはむしろ他者と繋がっている。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月14日
妊娠によって退学することになった十条への周囲の反応に曾根崎は激怒する。その声が、かつて自分たちに向けられていたものと同種のものだからだ。かつての閉じこもっていた自分からはみ出した結果、彼女の共感の範囲は外へと広がった。本の外へ広がり、同時に更に自己へと潜るものともなった。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月14日
菅原もまたはみ出す。モラルの軛から外れるようでいて三枝の望む役の中にいた彼女は、その鼻毛に自己の束縛を見て反射的に殴り飛ばす。三枝の「どうして」は、「自分の想定のつかない幼女」からすらはみ出た行動への呻き。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月14日
規定する自分からはみ出ることは自分を捨てることであり、自分を捨てた先にむしろ自己の発見がある。そして自分を捨てる行為には他者が不可欠であるから、その行為は良くも悪くも自分だけに留まることはない。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月14日
本号が新たな自己を発見する契機となったラブホテルの一件は、十条が高校生ではない自己への変化を迫られたことと絡み、曾根崎と天城の退学騒動へと発展する。それに対する山岸の抗議はまっとうで理性的で良心的で、しかしその自己の範囲では事を収められない。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月14日
だから文芸部の4人ははみ出ることを、荒ぶることを決意する。それは菅原や本郷が誰かから(かつての自分自身からすら)規定されていた自分を捨てて、自己を見つけてゆくことの延長線上にある。さて、この騒動の行方は。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月14日
(ここで和紗の行動に言及できないのが今の僕の限界)#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月14日
関連:
荒ぶる季節の乙女どもよ。 感想リスト
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第1話 「豚汁の味」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第2話 「えすいばつ」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第3話 「バスガス爆発」 第4話「本という存在」 *簡易感想
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第5話 「私を知らぬ間に変えたもの」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第6話 「乙女は森のなか」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第7話 「揺れ、の、その先」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第8話 「Legend of Love」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第9話 「キツネノカミソリ」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第10話 「穴」

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