流れを見る者、抗う者――「ヴィンランド・サガ」10話感想
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それは無謀と呼ばれようと。
ヴィンランド・サガ 第10話「ラグナロク」
©幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

「ヴィンランド・サガ」10話。誰も彼もが栄枯盛衰から逃れられない。今回は、その大きな流れに対するビョルンとアシェラッドの視点を中心に読むことができる。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月16日
殺しが好きで戦場では狂戦士のキノコを食べて暴れるイカレ野郎のビョルンは、しかし同時に冷静な観察眼の持ち主でもある。毎年当たり前のように続けてきた略奪は、デンマーク軍がイングランドに勝利すればもう続けられないことを見通している。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月16日
しかし彼は「視る」ことはできてもそれ以上のことはしようとしない。それは団員の口喧嘩から始まった決闘を止めないことからも明らかだし、王子奪回の軍勢への参加を求められた時も自分の意見は出さない。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月16日
そして、アシェラッドの視点はビョルンより更に巨視的だ。ビョルンの読む今後もトルフィンとの決闘のこれからも、500年以上の昔にまで広げた視界の中には同じ流れの中にあるものと映る。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月16日
しかし彼はそれを視るだけに留まらず、流れに逆らってもいる。本拠地に帰りつつある本隊から外れて村をつまみ(たまったもんじゃない)、また本隊へ向かおうとしている兵士を言葉巧みに自分のところへ留める。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月16日
そこで彼が耳にしたのは、同じく流れに逆らっているトルケルだった。攻めてこないのだから戦は終わり、とはせず逆に要塞から打って出て、わずか500の手勢で本隊と戦をしようとしている。周囲の反応からしてもビョルンの読みからしても、流れからは全く外れている。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月16日
そんなトルケルから王子を奪回する軍勢への参加を求める兵士は、流れの象徴だ。参加せざるをえないその雰囲気にそのまま乗るのは、ただ流されることに過ぎない。だからアシェラッドはその首を切り飛ばす。手勢わずかなトルケルに更に少数で挑むことが、流れに逆らうことになる。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月16日
トルフィンもまた、流れに逆らっている。夢に見る豊かな場所、自分を待つ者、復讐の意義。それを諭されながらも、彼はあくまで復讐を貫こうとする。抗う中でアシェラッドとトルフィンは、何を見るのだろう。#ヴィンランド・サガ
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月16日
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ヴィンランド・サガ 感想リスト
ヴィンランド・サガ 第1話「ここではないどこか」第2話「剣」第3話「戦鬼」
ヴィンランド・サガ 第4話「本当の戦士」 *簡易感想
ヴィンランド・サガ 第5話「戦鬼(トロル)の子」
ヴィンランド・サガ 第6話「旅の始まり」
ヴィンランド・サガ 第7話「北人」
ヴィンランド・サガ 第8話「海の果ての果て」
ヴィンランド・サガ 第9話「ロンドン橋の死闘」

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