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残響を追い続けて――刀使ノ巫女ドラマCD「名残花蝶」感想


 通販組で購入してからだいたい3週間。これまた遅くなりましたが感想をアップ。



 刀使ノ巫女ドラマCD「名残花蝶」を聞きました。真希と寿々花が隠世の美奈都・篝に相当する夜見と会って未練を祓う、彼女達にとっての24話であるわけですが、タイトルにもある「名残」、残っているものが、残響のように全体に散りばめられているのが印象的でした。


 例えば本作はアニメ最終回の御前試合からそれほど時間が経っているわけではなく、可奈美は今もあの時の勝負の余韻――名残に頬を緩ませます。同時に2人が隠世にいた間のことはすっかり消えたわけではなく、未だにその名残の補習に可奈美は悩まされている。刀使と言えども学生という本分はもちろん残っているし、一方で高等部での生活は中等部の名残からそう大きく逸脱したものではない。

 名残は簡単には消えません。刀剣類管理局では舞草の旧折神紫派への警戒心がまだ強く、特務警備隊は薫と沙耶香を名義上加えたことでかつての親衛隊の色を薄めた組織に過ぎないことが語られます。真希と寿々花にしてもその体からノロは抜け切っておらず、それはかつて刀剣類管理局が支給したものと同様にスペクトラムファインダーにフィルタリングをかけさせることになっている。真希が言うように、彼女達の中の穢=名残=未練は根気よく、少しずつ克服していくしかないのです。


 夜見の放った荒魂の生き残りを追う今回の任務は、1年前の名残を追う任務。ゆえにそこで起きるのは単に斬り伏せることではなく、そこにある未練を祓うことになります。夜見を止められなかったこと、真希をうらやんでいたこと。真希は夜見の荒魂を斬って祓うのと同時に自らの中の未練も斬って祓ってもらっているのであり、そこには本編では果たせなかった半分の持ち方がある。そしてそれがただの自己満足ではないことを、可奈美と姫和の経験の名残が信じさせてくれる。

 名残は簡単には消えません。姫和にはイチキシマヒメと同化した時の影響の名残があるし、真希や紫が嘘で表情を固めても辛い思いの名残は漏出する。しかし同時に、だからこそ名残は人を導きもします。可奈美が姫和に敗れた名残によって更に成長を続けるように。そしてその名残をたどって、真希と寿々花もまた成長しようとするように。本編の構成要素をおさらいできる、まぎれもない延長線上にある1枚でした。続きを匂わせる要素もあり、この未練はぜひ祓っていただきたいところです。

<追伸>
 寿々花の入浴剤の香りの名残の話がなんというかこう、フェチでなくとも想像をかき立てられますね。

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刀使ノ巫女 第20話「最後の女神」
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刀使ノ巫女 第22話「隠世の門」
刀使ノ巫女 第23話「刹那の果て」
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