世界を広げる――「荒ぶる季節の乙女どもよ。」12話感想
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レッツ・スタディ。
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第12話(最終回)「乙女心のいろいろは」
©岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会

「荒ぶる季節の乙女どもよ。」12話。1話の感想で閉鎖空間としての部室に言及したが、最終話の感想もそれをベースとして書く。https://t.co/beAPFSiZTM#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月21日
今回舞台となるのは校舎だ。部室よりは広く、学校外よりは狭く、そして生徒を主役としたある種の不可侵領域。閉鎖空間。広さと限定性を同時に持つ空間だからこそ、校外でバラバラに広がっていた和紗達の事情は様々な具材の煮込まれた豚汁のように混ざり合う。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月21日
繰り広げられる彼女達の現実、出来事や色模様は豚汁みたいにごった煮で、しかしこの校舎立てこもりという状況自体がそうであるようにそこには文学のような、ドラマのような味わいも確かにある。混ざり合って、いる。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月21日
混ざり合う。話し合いと戦いが。主観と客観が。行為と性欲が。露出と認知が。私と貴方が。それは和紗達が物語の中で他者に自分と重なるものを見ていったのと同じことだろう。この状況にグループ「学習」を混ぜてしまう山岸の先生ぶりよ。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月21日
部室から学校へ。それは字面通りの「書を捨てよ、町へ出よう」という意味ではなく、むしろ自己を拡張し発掘していく道のりだ。だから和紗達は5人に戻って、部室に戻って、そしてそこから足をはみ出す。再び閉じこもったわけではないから、荒ぶる軌跡は校舎に広がっている。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月21日
彼女達の世界はもっともっとはみ出していく。拡張されていく。「穴」は広がっていく。トンネルに入る列車への反応に見られるように、和紗も「上手く」なっていく。下品と言えば下品な比喩だが、それが彼女の存在そのものの成長を示しているのは僕にはもう称賛しかしようがない。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月21日
生々しさ、繊細さ、激しさ、奥ゆかしさ……列車のようにかっ飛ばす展開の中に強く味わえるものがある、とても素敵な作品でした。スタッフの皆様、お疲れさまでした。#荒乙
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月21日
追伸
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月21日
和紗の眉が好き。#荒乙
<追記>というか上述の比喩の明言というか。
「荒ぶる季節の乙女どもよ。」、振り返ってみると1話の「入った」は和紗にとってある種の初体験。自分と自分を取り巻く世界との付き合い方がこの場合のセックス。だから、最終話では激痛に悶えないことが成長の表現になる。#荒乙#araoto pic.twitter.com/M9kDZRXQtP
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月22日
関連:
荒ぶる季節の乙女どもよ。 感想リスト
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第1話 「豚汁の味」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第2話 「えすいばつ」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第3話 「バスガス爆発」 第4話「本という存在」 *簡易感想
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第5話 「私を知らぬ間に変えたもの」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第6話 「乙女は森のなか」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第7話 「揺れ、の、その先」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第8話 「Legend of Love」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第9話 「キツネノカミソリ」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第10話 「穴」
荒ぶる季節の乙女どもよ。 第11話 「男女交際禁止令」

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【言及】
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