川の向こうへ行くには――「ヴィンランド・サガ」12話感想
- CATEGORY: Wisp-Blog
- TAG: アニメ_2019年夏アニメ

何を払えばいいのか?
ヴィンランド・サガ 第12話「対岸の国」
©幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

「ヴィンランド・サガ」12話。釣果の望めぬ時期でしょうと語りかけるアシェラッドに、老人は本業は渡しであると答える。今回の感想のテーマは「渡し」#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月30日
対岸にあるものは、存在を認識できても渡しがいなければそこに通じることはできない。それは手紙を届ける老人に限ったものではなく、人であっても組織であっても同様だ。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月30日
対岸の国モルガンクーグ王国はアシェラッドと何かしらの縁を持っていても、それだけで手を貸してくれるほどの余裕はない。デンマークに力を貸すには不可侵条約の締結という渡しがいる。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月30日
そのような伝手を持つアシェラッドは何者か。ここまで強行してクヌート王子を助けようとするのはなぜなのか。団員にとっていつしかアシェラッドは対岸の人となり始めていて、ビョルンですらその本心への渡しを得ることはできない。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月30日
元々アシェラッドを信用しているわけではないラグナルに至っては尚更で、彼に安心の対岸へ向かってもらうには説明とトルフィンの護衛という渡しがいる。ついでにトルフィンも決闘という渡しがなければ護衛という対岸へ向かってはくれない。新顔にメンチ切るとか絶妙にワンコ。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月30日
脇道に逸れるが今回、情報という意味では「耳」が対岸的遠くにいるトルケルとの距離を掴む「渡し」として機能しているのが興味深い。また彼の報告を他者が信じるのに多少の渡しが必要となることに、その能力が常人から対岸の彼方にある代物であることも感じられるというもの。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月30日
神父は金銀美女に価値を与えるのは、渡しとなるのは愛であると説くが、多くのヴァイキングにはそれは対岸の思想であり届かない。それでも、わずかに興味を抱くものには繰り返し話すことが渡しになる。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月30日
また、クヌート王子は不可侵条約の約束を求められてラグナルに任せようとするがグラティアヌスはそれを容れない。ラグナルの言葉がクヌートの渡しではなく、ラグナル自身の言葉でしかないと見切っているからだろう。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月30日
そして、アシェラッドはトールズと歩めなかった後悔を滲ませる。対岸の強さと価値観を持つ男と繋がる渡しを、彼は持つことができなかった。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月30日
並べたように、対岸の存在は1つではない。迎えを装って襲撃しようとするブリケイニオグ王国にはまた別の渡しがいる。さて、アシェラッドはそこに何を持ってくるのだろうか。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年9月30日
関連:
ヴィンランド・サガ 感想リスト
ヴィンランド・サガ 第1話「ここではないどこか」第2話「剣」第3話「戦鬼」
ヴィンランド・サガ 第4話「本当の戦士」 *簡易感想
ヴィンランド・サガ 第5話「戦鬼(トロル)の子」
ヴィンランド・サガ 第6話「旅の始まり」
ヴィンランド・サガ 第7話「北人」
ヴィンランド・サガ 第8話「海の果ての果て」
ヴィンランド・サガ 第9話「ロンドン橋の死闘」
ヴィンランド・サガ 第10話「ラグナロク」
ヴィンランド・サガ 第11話「賭け」

にほんブログ村
【言及】
https://forestinthemountains.blog.fc2.com/blog-entry-1152.html