彼方の同志、最後の1人――「キャロル&チューズデイ」24話感想
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ボールはあなたに投げられた。
キャロル&チューズデイ 第24話(最終回)「A Change is Gonna Come」
©ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会

「キャロル&チューズデイ」24話。本作がずっと語り続けていた「奇跡の7分間」。多くの観客が集まり世界を動かす様が描かれる……というようなものを想像していたが、その想像とは彼方の対極にあるものだった。何せ配信であってスタッフ以外に生で聞く者はほとんどいないのだ。#CandT
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月3日
しかし、それは必然だったのだろう。ホールに人がいるなら、それ以外の者はおこぼれに預かるようなものに過ぎない。そうではなく、配信を通して聞く者こそが聴衆の主役なのだ。だってそれこそは「彼方にいる者」なのだから#CandT
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月3日
ロードムービーのような本作の作りは、共に歌う多くの仲間を得るためのものであり、同時に共にいられぬ多くの聴衆を生むためのものでもあった。獄中のスキップも地球のアメルもこの歌に参加することはない。しかし彼方にいる彼ら同志に、確かに歌声は届いている。#CandT
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月3日
そうした意味で、タオが告げたのは別れであると同時に、自分とアンジェラが「彼方の同志」であるのを伝えるものでもあったのだろう。離れているからこそ、伝えられるものがある。#CandT
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月3日
もう1つ予想外だったのは、この歌がヴァレリーや火星の人々を翻心させる様子が描かれなかったことだ。特にヴァレリー、ジェリーがテロを指示した証拠とスペンサーの言葉で曲の前に既に大統領選挙の辞退を決心していた。#CandT
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月3日
しかし、もしヴァレリーや火星の人々が歌によって翻心する様子が描かれていれば、「彼方」の射程はそこで止まってしまう。本作が描く「彼方」は、そんなところで終わるものではない。#CandT
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月3日
歌が、「Mother」が及ぼす影響は、描かれない故に果てもまた見えない。それは電波や回線を超えてもっともっと遠くに届くのだ。例えば既に天国へ旅立った者に。例えば、本作にとってみれば過去の世界である現在の私達に。#CandT
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月3日
だから、奇跡はここでなくこの歌を聞いた1人1人の心の中で起こったというガスの言葉は私達自身への言葉でもある。この作品で描かれたものは、映し出された心は、けして私達には縁のないものではない。彼女達と私達は「彼方の同志」なのだ。#CandT
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月3日
「Mother」は私達1人1人、「たった1人1人」に向けて歌われた曲。そういうことなのだろう。それは、キャロル&チューズデイとアンジェラという対照的な組み合わせ+αによってしか歌い上げることはできなかった。#CandT
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月3日
2クールに渡って描かれた本作、1話で見立てた「彼方の同志」というテーマは少なくとも大ハズレではなかったようだ。#CandT
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月3日
そこからの拡張性にいささか物足りなさを感じたのも正直なところだけれど、物語が帰着する場所は確かにこれがベストだったのだと思う。https://t.co/AUhzOZWpuR#CandT
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月3日
音楽は物語であり、物語は音楽である。キャロル&チューズデイの奏でた音は、僕達の心に響き続けていくだろう。スタッフの皆様、お疲れ様でした。#CandT
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月3日
関連:
キャロル&チューズデイ 感想リスト
キャロル&チューズデイ 第1話「True Colors」
キャロル&チューズデイ 第2話「Born to Run」
キャロル&チューズデイ 第3話「Fire and Rain」
キャロル&チューズデイ 第4話「Video Killed the Radio Star」
キャロル&チューズデイ 第5話「Every Breath You Take」
キャロル&チューズデイ 第6話「Life is a Carnival」
キャロル&チューズデイ 第7話「Show Me the Way」
キャロル&チューズデイ 第8話「All The Young Dudes」
キャロル&チューズデイ 第8話「Dancing Queen」
キャロル&チューズデイ 第10話「River Deep, Mountain High」
キャロル&チューズデイ 第11話「With or Without You」
キャロル&チューズデイ 第12話「We've Only Just Begun」
キャロル&チューズデイ 第13話「Walk This Way」
キャロル&チューズデイ 第14話「The Kids are Alright」 *感想お休みのため欠番
キャロル&チューズデイ 第15話「God Only Knows」
キャロル&チューズデイ 第16話「A Natural Woman」
キャロル&チューズデイ 第17話「Head over Heels」
キャロル&チューズデイ 第18話「Only Love Can Break Your Heart」
キャロル&チューズデイ 第19話「People Get Ready」
キャロル&チューズデイ 第20話「Immigrant Song」
キャロル&チューズデイ 第21話「It's Too Late」
キャロル&チューズデイ 第22話「Just Like Heaven」
キャロル&チューズデイ 第23話「Don’t Stop Believin’」

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