狭間に潜むもの――「ヴィンランド・サガ」13話感想
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それは鬼か蛇か。
ヴィンランド・サガ 第13話「英雄の子」
©幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

「ヴィンランド・サガ」13話。過去を挟み、物語は谷でブリケイニオグ王国の兵に取り囲まれる場面からサイカイする。谷とは山と山の間にあるもの、「狭間」にあるものだ。今回の感想もそれをテーマに語りたい。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月7日
ブリケイニオグ王国のアッサーは威勢よく口上を並べるが、実際は事を構えるつもりはない。戦意はなくともただ通せば格好がつかないから、少しでも有利な「狭間」を探って取り囲んでいる。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月7日
狭間とはすなわち妥協の産物なのだ。クヌートを焚きつけようとしたアシェラッドはラグナルに遮られ、お言葉ごもっともと引き下がる。妥協する。しかしそこには、ラグナルを排除する必要があるというより剣呑な判断が隠れている。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月7日
狭間には時に、それを挟む山よりも恐ろしいものが潜んでいるのだ。ウェールズとデーンの混血(狭間)であるアシェラッドが目論むのは、自分がデンマーク王を傀儡としウェールズを守るという遠大な計画だった。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月7日
しかしそれはやはり、妥協の産物でもある。英雄アルトリウスの純然たるウェールズ人の血統は既になく、デーン人の血を引くアシェラッドにはアルトリウスの伝説をそのまま再現することは叶わない。彼の計画は、伝説と現実の妥協によって生まれたものだ。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月7日
狭間には思わぬものが潜んでいる。デーン人に溶け込み彼らを率いて戦い、また慕われているアシェラッドがデーン人を嫌っているなどとは、多くの部下は思いもよらぬだろう。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月7日
アシェラッドと行動を共にしながら彼の敵だと公言するトルフィン、そして捕虜としての行軍の中でも武装解除しない馬車の荷台。狭間の少年と共に過ごす空間は、クヌートにも変化をもたらす。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月7日
「僕は(臆病ではなく)慎重なのだ」……その言葉も、威厳を溢れさせるのでなければ以前のように黙りこくっているわけではない話し方も、どちらも狭間の産物だ。「成長」という、雛と成鳥の狭間にクヌートは踏み出す。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月7日
そこに何が待っているのか、彼らは知らない。雪に降り込められる危険と敵地を通る危険の狭間の道のりは、暗雲が示すようにただでは澄まないだろう。狭間には思いもよらぬものが、恐ろしいものが潜んでいるのだから。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年10月7日
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