牢外の輩、群中の独法師――「ヴィンランド・サガ」23話感想
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みな海を渡らんとす。
ヴィンランド・サガ 第23話「誤算」
©幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

「ヴィンランド・サガ」23話。御前会議に出席する族長達はけして一味同心ではなく、跡目争いでの自分の立ち位置を探っている。大勢の中にいれば孤独と無縁とは限らず、逆もまたしかり。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年12月23日
自分だけが進んでいないと知ったトルフィンは、1人街中をさまよう。鼻血と打撲で歪んだ顔も、語る気になれぬ言葉も彼を孤独にする。追いかけた男はアシェラッドではないし、クヌートの護衛としても認識されない。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年12月23日
放り込まれた牢屋はトルフィンの心の中、誰もいないし誰も入れない。可視化された孤独にしかし、レイフは格子の向こうから語りかける。倒れたトルフィンに、腰を下ろして語りかける。トルフィンの11年は自分には分からないと、その重みを認める。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年12月23日
しかし同時に、彼は船乗りもまた戦士と同じく誇りをかけて戦っているのだとも語る。相手のことなど分かりはしない、けれどそれはけして孤独ではない。その言葉こそは、トルフィンにレイフの11年を認めさせる力となる。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年12月23日
彼の語るヴィンランドは、ただの新天地ではない。異なる者が手を取り合える場所だ。船乗りと戦士はおろか、生者と死者すらそこでは手を取り合える。死んだ父もきっと目指した場所に、その背中を正しく追いかける道がある。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年12月23日
牢中の孤独に手を差し伸べられるトルフィンと対照的に、アシェラッドは群中で孤独を味わう。彼の策は確かにスヴェン王の上を行っていた。しかし王が主張したウェールズ侵攻が偶然にも急所を突く。思考を読まれるという繋がりですらない、偶然という孤独。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年12月23日
ウェールズがアシェラッドの故郷だと知っても、トルケルはお気の毒様としか思わない。クヌートにしても、アシェラッドのために血迷って危険を冒すことはないだろう。人間関係の身辺整理とでも呼ぶべきものを済ませてきた彼の孤独は、一層深いものになる。#VINLAND_SAGA
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年12月23日
思考の荒波を進むアシェラッドに、残された手はあるのか。
— 闇鍋はにわ (@livewire891) 2019年12月23日
次回、最終回。見届けたいと思います。#VINLAND_SAGA
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