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シーズン外アニメ感想「伏 鉄砲娘の捕物帳」


 「繋がって」しまったので。

 「伏 鉄砲娘の捕物帳」をTOHO シネマズ海老名で視聴してきました。まどかの物販待ちど並んでいる時にPVを見て、あ、ちょっといいな……と。とはいえ少々バタバタした時期であり、また同日公開のマクロスFB7を優先したこともあって公開から2週間経っての視聴に。上映は既に1日1回になっていました。


■贋作・八犬伝
 この映画は桜庭一樹の小説を原作としていますが、あくまでそれは土台ということのよう。そして、更にこの小説は里見八犬伝がベースなのですね。タイトルと信乃の名前からピンと来るべきだった(というか、原作のタイトルからして「伏 贋作・里見八犬伝」だった……)。もっとも、原作と原典は直接読んでいなくても問題ないかと思います。原典をネットで検索して軽くかじるくらいで十分かと。
パンフで原作者が読んだ八犬伝作品として挙げていましたが、興味が湧いたら山田風太郎の「八犬伝」をおすすめします。この1作で八犬伝の要約と、それを書いた馬琴の背景を知ることができる。「忍法八犬伝」は別の作品だから要注意な!


■説明不足だがそれ以下ではない
 上映時間は110分と長めながら、物語には説明不足の部分が多々見られます。ある人物の死が最初に提示されてはいますが強調が足りなかったり、作品の大きなテーマである「まがい物」という部分が終盤唐突に現れるように感じたり、展開の繋ぎがやや突飛だったり……ただ、あくまで説明不足なのであって物語自体は破綻していない。状況は無茶だけど心情は無茶ではない。作品の中にある「玉」の出し方はどうにも不十分なのだけど、「玉」に傷はついていないというある意味で稀有な作品になっています。
解説としてはこちらが正に珠玉の出来。胸にすとんと落ち過ぎてむしろ悔しくなったw
『伏 鉄砲娘の捕物帳』 感想&勝手解説 【ネタバレ全開】みそら絵日記


■浜路かわいし恋せよ乙女
 原作では浜路と信乃の恋愛要素はなかった、もしくはごく薄いものだったそうですが、映画では話の骨子になっています。
最初の浜路は正直、あまりかわいくありません。作中で男装する機会がありますが、その格好がごく自然w
そんな彼女が伏探しで女性性の一種の極致である吉原に入ったり、その裏側を知ったり、そして何より信乃と出会ってどんどんとかわいくなっていく。周囲の状況がどんどんと変わっていく中で、物語の骨子でありながらその様はごく自然に、さりげなく描かれています。それが爆発するのが最後、江戸城に乗り込む時の着付け。信乃に買ってもらった着物を着て、でも動きやすいように裾はまくり上げて、手には大事な鉄砲を抱えて……正に女の子で猟師で、浜路以外の誰でもありえない。「一番きれいな姿」で、信乃を「仕留めに」行く彼女の様は、見ているだけで胸が熱くなってしまう。


■肉は斬られても骨は断たれない
 前述したように、この作品は説明不足の甚だしい作品です。特に村雨丸を巡る部分には最初とっちらかっているものを感じてしまいました。
でも、一方でどこか爽やかなものを感じたのも確かで……浜路と信乃の物語という骨子を見失っていない作品だからこそ、それは感じられたのだと思います。
 声優陣の演技も情感に沿っており、観客と作品を「繋げる」のに一役買っていました。まず主演の寿美菜子が、やや女の子よりながら中性的な浜路を上手くかわいく演じており、110分の中での変化を自然に見せてくれる。そして信乃役の宮野真守は監督からどこかに必ず「寂しさ」の感情を入れて欲しいというオーダーを受けていたそうなのですが、確かに台詞の端々にそれは感じられて、重要な場面での絞り出すような声に切迫感を与えている。浜路の兄・道節役の小西克幸を始め脇を固める面々の演技も見逃せません。
さすがにCharaが演じているキャラがあるのはどうかと思いましたが、主題歌「蝶々結び」が「女の子の物語」に合わせた切ないものに仕上がっているので、総合的にプラスということで……




 映像的にも、必ずピンクを入れるようにしたという配色や、「分かっていてズラした」感のある江戸描写など見ていてとても華やか。
 できれば映画じゃなくて1クールアニメで、何度も見返しての考察がしやすい形でこの作品に触れたかったなあ。僕自身映画は基本的に1回しか見ない人間なので、「映画館に何度も行こうぜ!」というのは正直勧めづらいのですが、1度は見て、そしてレンタルに並んだら是非2度も3度も見てほしいと思った作品でした。


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