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シーズン外アニメ感想「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」


 起承転結の転。




■劇場風景
 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を新百合ヶ丘ワーナー・マイカル・シネマズで見てきました。初回は8:00!新宿バルト9の最速上映にはもちろん及びませんが、それでも随分早い。加えてパンフは食品カウンターでも販売していたこともあってか、物販は海老名でのまどか☆マギカの時ほどは混雑していませんでした。並んでいる人の雰囲気も、まどか☆マギカ劇場版の熱気に比べるとややライトだった印象。
 席はネット予約で2段目前方やや左寄りを確保。早めに予約開始してたのを知らなかった割にはいい方か。劇場の広さ的に、1段目最後尾辺りがベストだったかな。

■異物感から異世界感へ
 前作「破」から実に3年。ピアノが演奏される光景がひたすら続くだけの予告が不評だったりした本作「Q」ですが、なぜそんなに映像を出し惜しみしたのか……というのは、開始から少しして分かります。昨日公開された冒頭シーンの騙しっぷりと来たら!w
 今回の舞台は、まさかの「破」の14年後。「破」の最後がサードインパクトに至り、崩壊した世界。14年で姿を変えた、かつて知っていた人々。初めて見る、そしてシンジに憎悪を向ける人々。「破」では真希波・マリ・イラストリアスが旧来と同じ世界観に対する異物として入り込んでいましたが、本作ではそれはむしろシンジの方。14年という歳月と自分に向けられる視線によって形作られる世界は、ほとんど異世界と言っていい。目覚めたシンジが感じた戸惑いは、視聴者の多くも共有できたのではないでしょうか。 


■14年を繋ぐもの
 14年の歳月が人々を変えた一方で、ヱヴァの呪縛を受けたチルドレン達は外見的には14歳のまま。ですが、外見が持つ意味はそれぞれで異なっています。

 まずアスカ。彼女は最も大きく変わっています。といってもまあ「破」での「Q」予告の時点で話題を読んだ眼帯だけですけど、女性キャラのイメージに与える変化は非常に大きい。アフレコ前の打ち合わせで宮村優子が掴んだイメージは「プロの傭兵で武将で眼帯」だそうで、戦い続けた彼女の性格はその外面に相応しく激しさを増しており、14年の歳月が人々に与えた変化を内面から伝えるのに大きな効果を発揮しています。「バカシンジ」というのも最初だけで、早々に「ガキシンジ」へと変えてしまう。

 次にシンジが姿を見る綾波は、外見的には全く変わらない。ただ、黒のプラグスーツを着た彼女を見た時点でほとんどの人はこの綾波が「破」の綾波ではないことを直感したことと思います。彼女の外見の変化のなさは、現実でもってシンジを裏切るためにある。

 そして、カヲル。劇場版でのシンジは彼とは初対面なわけですが、彼が最も変わっていない。それはもちろん「破」からというだけではなくて、TVの時から。何もかもが変わってしまった「Q」の世界で、初めて出会う彼の存在がシンジの心に安らぎを与え、変わらぬ彼の存在が視聴者の心を繋ぎ止めてくれる。そうした意味では、アスカが「Q」を引っ張り出し、カヲルが地ならしをしてくれているように感じます。

 マリについては、外見も内面もさっぱり変わっていません。綾波のような裏切りや、カヲルのようなループ性の無変化というわけではなく、彼女は本当にただマイペースで、変わってないのが自然なんでしょうね。今回は話に直接的に絡んでくることは少ないので、ちょっと残念だったりもしますが。まあ今回も乳揺れして最高にエロいし楽しそうだからいいか。


■成長に対する試練
 旧シリーズにおけるエヴァの一つの大きなテーマとして、ままならない自分に対する悩みというものがありました。うまく話せない、意志を伝えられない、友人や父親との関係……そうした要素は「序」や「破」でも見られましたが、今回のシンジは、父親や友人との関係とは規模の違う悩みを突き付けらています。
 シンジは「破」で綾波を助けようとした時に、一つ壁を突破した筈でした。だからこの「Q」でも、目覚めて間もないのに自分もエヴァで戦うと申し出さえした。でも、そこで返って来たのは「何もしないで」という、冷たい拒絶の言葉。久しぶりに再会したゲンドウから投げかけられた「エヴァに乗れ」という言葉とは真逆ですが、訳も分からないまま自分の意志を拒絶される……という点ではむしろ似通っています。彼の成長はここで否定され、多くの人を死なせた上に綾波も救えなかったという事実によって非難され、そして取り戻そうとした行動の結果によって完全に打ちのめされてしまう。
 自己嫌悪という点では、カヲルの死によるショックはTV版以上でしょう。TV版のカヲルはシンジを「裏切り」、戦い、そして自ら死を望んで逝った。ですが、この「Q」でのカヲルの心はずっとシンジに寄り添ったままだった。シンジが煩悶しながらも自ら殺したのではなく、シンジの行動の結果によって死ぬことになった。DSSチョーカーを身代わりに付けていなかったら。シンジがカヲルの制止に耳を傾けていたら。カヲルは、少なくともあの死に方をすることはなかった。シンジの心に残っていたものを打ち砕くには、十分過ぎる出来事でしょう。この「Q」は、シンジのこれまでの成長を丁寧に丁寧に叩き潰していく物語でした。


■希望は残っているよ。どんな時にもね
 そうした物語ですから、この「Q」の視聴の後味は、けしていいとは言えません。戦艦ヴンダーの新登場やエヴァシリーズ同士の対決など派手な戦闘シーンも多いですが決着がつくことは少ないため、爽快感という点でも「破」のようなものはない。娯楽としては未完の作品と言えます。ただ、こうまでして背負わせた十字架を、こうまでして折ったシンジの心をどうするのか。それが気になって仕方ないのも正直な所で……次作完結編の公開は2013年とのことですが、できるだけ早く公開してくれるのを待っています。


 しかし、10/6の魔法少女まどか☆マギカを皮切りに、毎週新作アニメ映画が公開された数週間だったなあ。こんなに頻繁に映画館に足を運ぶ日が来るとは思わなかったです。まどか☆マギカ前後編、マクロスFB7、伏、ねらわれた学園、そしてこのヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q。どれも色々と考えさせられるところのある映画でした。テレビ放送と違って見返せないのが残念ですが、大スクリーンと大音響で見る作品っていいものですね。普段はほとんど映画を見ないので、とても新鮮な数週間でした。


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