シーズン外アニメ感想「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」 


 「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」劇場版を視聴。うーん、見るタイミングの難しい映画だった……




■作品と自分に感じた、時間の流れの違い
 舞台はTVの1年後、めんまに手紙を書いて皆が集まる……というもの。この1年後というのがやっかいで、視聴者からすれば1年前ではなく2年前の出来事なのですよね。正直な所、記憶のあちこちが欠落してしまっていて……そして、キャラとしてはいいことなのだけどじんたん達みんなが1年前の出来事に囚われすぎていなくて、自然と回想も視聴者に対してはそれほど親切ではなかったりする。2年前の記憶であってもすごく困るようなことはないのだけど、やはりじんたん達の「1年前の記憶」に近い状態で見ることができればもっと楽しめたんだろうなあ、と感じてしまいました。半年~1年前に見返しておくべきだったなあ。TV版のシーンを新しく描き直した部分もあると思うのですが、比較するための絵が既に自分の中から抜けてしまっている……過去の映像を使った話ではあるけれど、総集編という言い方もこの構成には少し似合わない気がします。


■劇場版とTVの時間的距離感
 ただ、逆に公開時期に合わせて2年後の話にすれば良かったのでは?とは全く思いません。1年間で変わったこと、変わらないことの両方があって、そしてそれが許される期限というのが1年後だからです。めんまへの手紙のお焚き上げをして、ゆきあつはまた来年も集まりたいという。つるこは、来年だと受験なんかもあって難しいのじゃないかという。それでも集まりたい、という話にはなるけれど、2年後であるとそうした変化が否応なしに押し寄せてくる。それはきっと、形式的には総集編の体を取った短い時間で描かれるべきものじゃない。そして、それは本当に新たなそれぞれの物語になる。この、劇場版とTVの中での時間的距離感を大切に扱ったのは、今回後日談をする上で正解であったなと思います。スケジュールなどを無視した全くのワガママを言えば、これは去年の夏に見たかった。


■つるこかわいいよつるこ
 上で述べたように、1年の間に皆は少しだけ変わっています。じんたんは学校に行ったり行かなかったり、ゆきあつは以前より屈託がなくなったり、あなるは相変わらずじんたんへの好意に悩んでいたり。ただ、1番変化を素敵に感じたのはつるこでした。TVでは終盤まで心の扉を開こうとしなかったので、自然すごくクールだったのですが……1年後の彼女は優しくて、感情が動いて、そしてそれが表情に出る。最終回でもゆきあつの上手を行っていたのに、今回この劇場版では逆にゆきあつにしてやられたりする。悩んでいることがあったらそれを素直に出せるようになった彼女を、声を当てた早見沙織が「大人になったからもっとクールになるとか、もっと客観的になるわけではなくて、逆に若々しく見えるような成長があったというか。」とパンフレットのインタビューで評しているのは、正に当を得た見方だなと感じました。


■めんまはもう隣にいない。でも、確かにそこにいた。
 TVの終了後ということで、めんまがもう一度じんたん達の前に姿を現すことはありません。成仏したのだもの。お焚き上げをしても、じんたんが心のなかでめんまに語りかけても。幻聴のように声が聞こえたりするわけでもない。あの夏は、奇跡の夏だったのだから。でも、最期に少しだけ、じんたん達とは別の所で、ほんのちょっとした変化に思えなくもないものがある。きっと、お焚き上げした手紙はめんまの所に届いていると感じさせてくれる。ラストのあの加減は、本当にギリギリのところで優しい脚本だな、と思いました。
 熱心なファン向けの1本ではあったと思いますが、それでも1年後のじんたん達に会えたことは嬉しかったです。スタッフの皆様、お疲れ様でした。


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Posted on 2013/08/31 Sat. 23:09 [edit]

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