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映画感想「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語」


 世界の理に、そして、決意に叛逆する。
 「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語」を視聴してきました。思いっきり雨天だった上に出遅れてしまい、パンフを購入する時間があるかどうか不安だったのですが、パンフのみの場合は別レジで取り扱ってくれたので幸い苦もなく入手に成功。映画館GJ。

 入場特典の色紙はさやか&杏子。こういう情報は全然調べていなかったので、前を行く人が受け取っているのを見て初めて存在を知り「あ、もらえるんだ。でも5,6種類あるだろうからさやかは当たらないだろうな」などと思っていたのですが。封から出そうとしたら青髪が見えて思わず鼻息が荒くなりましたwww
 あれこれと本文で書いたけれど、さやかのかわいさは本当に単純に素晴らしかったです。劇場版の情報を初めて見た時「新作の方だとさやかの出番ないんじゃね?」とかしょぼくれた自分がバカみたいw




■タイトルに違わぬ衝撃
 途中までは蛇足っぽい話だな、と思っていたのですが、最後で印象が一変。「魔法少女まどか☆マギカの新編」と銘打つだけの作品であったと思います。魔女化しかかったほむらの結界の中の物語で、まどかが円環の理として彼女を救いに来る……という結末寸前までの流れはシンプルで美しかったけれど、そこで終わると本当に「普通のいい話」でしかない。ゲーム版のシナリオとしてなら絶賛するけど(すいませんポータブルやってません)、放送から2年経った本編の完全に新たな形としてはあまりに物足りない。
 5人が揃って普通の魔法少女っぽく戦っている序盤に感じた違和感は、形を変えてアルティメットまどかがほむらを迎えに来るシーンまで続き、そしてほむらがまどかを「捕まえた」瞬間、一気に吹き上がりました。砕かれるのは、ほむらが心の内で願っていた幻想だけではない。その外側にある、まどかがほむらを迎えに来る瞬間に視聴者が幻視する終わりすらも打ち砕かれる。この二重の構造は、とにもかくにも衝撃的でした。


■まどかの、そして自分の心に付け込んだ「悪魔」
 その衝撃こそは、アルティメットまどかから鹿目まどかを切り離すというほむらの行為。これが怖いのは、まどか自身が心のどこかでアルティメットまどかにならない自分を望んでいたということです。
 もちろん、人間の心なんて1つに収まるものではなくて、自分の中にあるいくつものそれの中からどれかを選び取って代表としているものです。まどかにとってのそれはアルティメットまどかになるということで、だからほむらは、まどかのいない世界を彼女なりに受け止めていた。でも、キュウべえの干渉によって作られた世界の中で、まどかは無自覚に代表としていた以外の部分を見せてしまった。それは、ほむらにとってどれだけ魅力的な言葉だったでしょう。その一言で、ほむらはアルティメットまどかから鹿目まどかを切り離すことを「まどかにとっての幸せ」と信じることができるようになった。別の言い方をすれば、彼女の心のどこかにあった願望に対する大義名分ができてしまった。例え皆と別れたくないと思っても、あの状況になればそれを選択するのがまどかだと分かっていたはずなのに。まどかと自分の心の都合のいい部分だけすくい上げたほむらの行動は、正に悪魔そのものであったのだと思います。
 ただ、まどかが皆と別れたくないと思っていたのは事実であって、間違いなくほむらは「まどかの願いを叶えた」のです。自分が悪魔になってでも、まどかの敵になってでも、まどかの大きな願いを損なうことになっても、ほむらはまどかの小さな願いを叶えたかった。情念が深すぎて笑えない。


■1人ぼっちになったらだめだよ、ほむらちゃん
 上のまどかの言葉は、さりげないようでとても記憶に残った言葉でした。内容としてはもちろん、1人で全てを抱え込もうとしているほむらを心配しての言葉ですが、実際の所これを言っているまどか自身が1人なのですよね。本来彼女は既に概念と化していて、誰からも認識されない存在になっているのだから。
 ほむらが悪魔になって行使した力でまどかの孤独は解消された一方で、現在のほむらは孤独なままです。世界を改ざんしても、悪魔になっても、願いを叶えても。まどかもさやか達も、自分がほむらに何をされたのかすら忘れている。でもそれは、「知らない」ということではありません。ほむらが作り直したのはあくまで結界の中の世界で、そこにいる杏子やさやか達の経験自体がなくなったわけではないわけですから。まどか達が全てを思い出すことがあれば、ほむらは孤独ではなくなる。もちろんそれは、彼女の行為が破綻することが決定する瞬間でもあるわけですけど。駄目だとにかく救われない。でも、おそらく彼女にとって、自分が孤独かどうかなんてことはもうどうでもいいのです。


■自分の幸せを否定できるほどの願い
 ほむらの悪魔化は、言ってみれば二度目の魔法少女化です。「敵になるかもしれない」という言葉の通り、ほむらは自分が間違っていることが分かっている。まどかが目覚めれば、自分のやったことが否定されることも分かっている。そして、悪魔と化した彼女には円環の理はもはや通じない。それだけの対価を払ってでも彼女は、自分が悪魔になることを選んだ。彼女にとって「まどかを救う」というのは、本当に自分を壊してでも叶えたい願いだったのだな、と思います。救いも、願う相手に認められることも要らない。彼女の決断の重さはきっと、まどかに勝るとも劣らない。どれだけ身勝手で、どれだけ相手のことしか考えていないんだろう……!
 ほむらの行為は否定したい。でもその思いは、否定しきれない。見終わって帰宅して整理しても、やるせなさだけは消えません。彼女にどんな言葉を送ったらいいのかすら分からない。感動ではなく、とにかく重い1発を最後に受けた作品でした。


関連:
シーズン外アニメ感想「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語」
シーズン外アニメ感想「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編] 永遠の物語」


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2 Comments

Z-in  

No title

はにわさんも観に行かれましたか!
私も朝一番で観に行きましたよ~!
しかし杏さやを引き当てるとは・・・めちゃくちゃ羨ましいです。
新編はまさに衝撃の結末にあっけに取られました。
まさかこうなるとは・・・叛逆の意味がようやく分かりましたよ。
なんかホントに切ないよね・・・未だにあの結末に立ち直れない。
まぁでも期待を裏切らない素晴らしい作品だと思いました。
それにしても圧倒的杏さや率!にやにやしちゃいましたよ!

2013/10/27 (Sun) 19:49 | EDIT | REPLY |   

闇鍋はにわ  

No title

こんばんは、コメントありがとうございます。
杏さや色紙の対価なのか別作品のイベントに外れましたorz
Z-inさんはマミとなぎさだったそうですね。なぎさを見るマミの瞳がなんとも幸せそうです。描写としては1番救われた子ですもんね、彼女。

何に叛逆するのだろう、というのは気になるところでしたけど最後まで見て納得、でした。そしてだからこそ、ほむらが自ら選び取った選択が本当にやるせないです。

以前の話では杏子からさやかへの思いが描かれる分、それに応える形でのさやかからの思いの描写は今回の映画の素敵なところでした。恭介のこともそうだけど、今回のさやかって、魔女になるほど悩んだことがちゃんと成長に繋がってるんですよね。それが少し寂しくも本当に嬉しかったです。

2013/10/27 (Sun) 20:12 | EDIT | REPLY |   

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  • 2013.10.26 (Sat) 21:30 | 失われた何か 
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  • 2013.10.27 (Sun) 20:25 | こみち
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  • 2013.10.29 (Tue) 23:08 | 明善的な見方
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  •  劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語
  • TV版ではまどかが欠けることで魔法少女の救済されるシステムが出来上がり 魔女は生まれなくなったけれども魔獣という存在と魔法少女が戦うという世界にシフトしてしてました そして続編ということでの映画は何故かまどか、さやか、マミ、杏子、ほむらの五人が揃った日常が 戦う相手はナイトメアと首を傾げる始まりでした。
  • 2013.11.04 (Mon) 11:44 | 犬哭啾啾