お前は俺の友達だ/革命機ヴァルヴレイヴ24話感想
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最終回感想というか、実質総括感想になりました。
<拍手レス>
>きりたちのぼるさん
「ぎんぎつね」の感想への拍手コメ、ありがとうございます。
原作既読の方に新鮮な視点、と言ってもらえるのは嬉しいですね。作品が含蓄に富み、見る人によって様々な側面を感じ取れる深さがあったからこそのことだと思います。原作はまだまだ手を付けられていませんが、きっとまたアニメとは違った発見がある筈だと楽しみでなりません。拙い感想ではありますが、アニメを見る楽しみの一助になってくれたのなら幸いです。
革命機ヴァルヴレイヴ 第24話(最終回)「未来への革命」
© SUNRISE/VVV Committee, MBS



カインを倒し、希望は未来にぶん投げて最終回。200年後については詳細に描く尺なんかないだろうとは思っていましたが、和解と共存という戦後の課題が(おそらくある程度)解決した姿としての役割を持たせていたのは意外なオチでした。こういうのは「道は分からないけど、気持ちがあればなんとかなる」と始まりを描いて終わるのが一般的だと思うのですが、「気持ちがあったのでなんとかなりました」で終わるのは珍しいですね。 しかも数年後ではなく普通の人間の一生よりもずっと長い時間の先を結末に置くことで「課題山積みじゃんどうすんだよ」というツッコミを無視、結果として少年少女の無責任なくらいの未来への希望をむしろ純粋に描けているのが面白い。
ただ、「話をする」姿勢の体現者になったショーコの根底に「ハルトと話ができなかった」ことがあるのであろうことも切なくはありましたが、彼女の描写がまるで不足していたのがもったいない。いやまあ戦後の彼女の気持ちについてはアキラの語りで想像できなくはないし、下手に語らせると先述した無責任なくらいの未来への希望が損なわれてしまう恐れがある気もするけど……彼女の株価という意味以上に、このあたりはもっと上手い描写ができたんじゃないかなあ。



というわけで総括。ロボットバトルとしては、初期こそ「硬質残光」というエフェクトを加えてCGがバリバリ動く映像美に魅せられたものの、5機がバラバラに敵を倒す描写に終始し、言ってみれば「スペック通りの戦闘」の域を出ることがなかったように思います。結果として5機いるのにチームプレーの印象が薄くなり、横の積み重ねの薄さが山田の死んだ23話で露呈してしまっていました。
敵も1期の放熱スパイクや前回の長篠レーベングリッツェンに象徴されるような奇妙にアナクロな戦術が中心で、「好敵手」と呼べるような相手が不在だったのも戦闘の緊張感を今ひとつ盛り上げてくれません。ハルトの対としてのエルエルフの影を薄めない効用はあった一方、ただでさえ薄いハルトの存在感を一層おざなりにしてしまっていました。だからこそ彼のパイロット能力に切り込む必要がなく24話のジャックに繋がったわけでもありますが、最終回で操縦技術に見切りを付けられちゃう主人公なんて初めて見たよ。



キャラクターについては、エルエルフを始めとして個性自体は確かにあり、ちぐはぐな脚本に翻弄されるのを惜しまれるだけの力はあったかな。特に悠木碧演じるアキラは内向性のかわいらしさに加えて、時折見られたテンパリ具合が堂に入っていてそれがまたかわいいという反則性があり、ヒロインとは別格の存在感を常時放っていたのが印象的。結論としてアキラかわいい。



1期前半は積極的に盛り込まれていたSNS(ワイヤード)については、2期は地球降下作戦が主体になったことで存在感が希薄になり、最終的にテレビ中継を見た人の反応の文章化・高速化程度の意味合いしか感じられなかったのが残念でした。今回の戦闘を経ても「マギウスと人間の共存する世界」というのはすぐには到来せずまるで魔女狩りのようになった、という結末からすれば、希望を感じさせるものにできなかったというのは分かるのだけど、この戦闘での手のひら返しの早さはあんまりにも軽過ぎる。人間なんてこの程度でひっかかるバカなんですよ、というつもりなら、作品を視聴するのは誰あろうそのバカなのだから、バカにも納得できるように懇切丁寧に描くべきだったのではないかしらん。
なお、夏期に放送された「ガッチャマンクラウズ」も積極的にSNS(ギャラックス)を描いていましたが、その繋がりで比較してみるとそれぞれ従来のヒーローもの・リアルロボットものとは「一般人との距離」が異なっていたのは興味深い点。前者は「ヒーローと言えば正体を明かさず戦うもの」、後者は「リアルロボットものと言えば大人の組織に所属するもの」というお約束から外れているのですよね。そしてそれは、情報の開示を容易にするという共通点がある。
SNSは皆がある程度並列かつオープンに繋がるものですから、秘密の存在のままでは触れにくい。そうした意味で、新生ジオールが大人の組織ではなく学生の集まりであったことにはそれなりの意味はあったのかなと思います。もっとも「ガッチャマンクラウズ」はそれまで秘密だったヒーローのあり方を乗り越え、ヒーローと一般人が手を取り合うという図式を打ち出した一方、こちらはリアルロボットものの情報戦ツールに落ち着いてしまった感も強いのですが。先に述べたように、2期の描写時間の多くで省かれてしまった部分に、結局はこの作品におけるSNSの軽重が現れていたように思います。








毒を食らわば皿まで、不満を覚えようとも最後まで見ることで書ける感想があるというのが僕の基本姿勢ですが、この作品についてはずっと「なんでこんな作品を作ったんだろう」という疑問ばかりが頭にありました。出来の悪さに不満を覚える作品は少なくないけれど、脚本が真面目にやっているのかすら疑問に感じる作品は珍しい。天然でこのシナリオなの?それともこの穴だらけの展開は計算づくのツッコミ待ちなの?
結末は思ったほど嫌いではありませんが、全体としてはほぼすべての回でまっとうな楽しみ方はできなかったのが正直なところ。本当、なんでこんな作品作った。
さて、最後に七海先生のおっぱいをキャプって終わりたいと思います。


さすが先生だ、負傷による腹抑えまでセクシーポーズだぜ! スタッフの皆様、お疲れ様でした。
関連:
革命機ヴァルヴレイヴ 第1話「革命の転校生」
革命機ヴァルヴレイヴ 第2話「666を超えて」
革命機ヴァルヴレイヴ 第3話「エルエルフの予言」
革命機ヴァルヴレイヴ 第4話「人質はヴァルヴレイヴ」
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革命機ヴァルヴレイヴ 第8話「光の王女」
革命機ヴァルヴレイヴ 第9話「犬と雷」
革命機ヴァルヴレイヴ 第10話「恋の選挙公約」
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革命機ヴァルヴレイヴ 第18話「父の願い」
革命機ヴァルヴレイヴ 第19話「悲しみは降る雪のごとく」
革命機ヴァルヴレイヴ 第20話「曝かれたカミツキ」
革命機ヴァルヴレイヴ 第21話「嘘の代償」
革命機ヴァルヴレイヴ 第22話「月面の拳」
革命機ヴァルヴレイヴ 第23話「モジュール77奪還作戦」

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